3、福岡県糸島郡志摩町議会の「慎重審議」決議文


玄海原発プルサーマル計画について、住民側に立った公正な判断を求める意見書(案)

 現在、九州電力が変更認可申請中の玄海原発プルサーマル計画について、今年に入り、佐賀県知事は、「安全は確保される」として計画を受け入れる考えを示され、同じく県議会与党も賛同する動きをされております。昨年から何度か開催された公開討論会では、疑問点や反対意見が数多く出されました。本当に、安全性は確保されたのでしょうか。
 原発内での事故や地震など災害が起きれば大事故になります。佐賀県だけでの問題では済まされません。玄海原発から25kmと近接した福岡県糸島地区の住民は、この問題に対して重大な関心を持っています。万一トラブルが発生した場合、放射能汚染に対する国や佐賀県はどのような措置を取られるのか、県民や周辺住民の不安を払拭できる説明は、まだ十分とはいえません。
 現在の佐賀県玄海町だけを対象とした安全協定による協議を早急に改め、広域的な関係自治体を含めた協議会を設置し、住民が安心して生活できるための慎重な議論がなされるように強く要望いたします。

  平成18年3月13日
     福岡県志摩町議会
     議長 平野順平

佐賀県知事  古川 康 様
佐賀県玄海町長  寺田 司 様
福岡県知事  麻生 渡 様





決定およびその理由

(1)請願第2号 「玄海原発プルサーマル計画について、住民側に立った公正な判断を求める意見書」の提出を求める請願

 本請願は、現在九州電力が進めている玄海原発プルサーマル計画について、佐賀県知事や地元玄海町が導入容認の方向に動いていることに対して、県民や市民さらに周辺自治体住民への説明責任が十分ではなく、拙速に受け入れることは慎むべきであるとの立場から、住民の「命と暮らし」を守るために慎重な対応を求める意見書の提出を求めるものであります。今回までの請願で、国策としての原子力行政推進の立場とその安全性に対する疑問から計画の中止を求める立場の双方の意見を本委員会は聞いてまいりました。プルサーマル計画が認可されようとしている真に、最終段階においても佐賀県および玄海町だけが協議の対象としかされておらず、玄海原発から40kmと大変近い距離に位置する本町の住民もこの問題には大きな関心を持っているにも関わらず、議論の中には加われない現状があります。このことから国や佐賀県は早急に安全協定を見直し、糸島地域も含めた関係自治体の協議の場を設定して慎重な議論を進めていくことが必要であるとの結論に達しました。

 よって本件については、全員一致で「採択」とし、別案の通り意見書を提出することに決定しました。